|
![]() | |||||||||
編集 |
| 東京大学大学院眼科・視覚矯正科講師 |
| 加 藤 聡 先生 |
| も く じ |
|---|
ハ〜ロ〜! 調子はどーお? 今回のテーマは糖尿病網膜症。なんだか最近、糖尿病ってよく耳にするよね。尿に糖が出る病気が「糖尿病」でしょ? なのに、どうしてその糖尿病が眼に悪いんだろう?? |
![]() |
| 著明な視力低下の原因 |
|---|
![]() |
|
![]() |
| 正常な眼底 |
|---|
![]() |
| 単純網膜症 |
![]() |
| 増殖前網膜症 |
![]() |
| 増殖網膜症 |
|---|
![]() 糖尿病を治療しないでいると、大変なことになるのねェ。糖尿病から眼を守るためには、どうすればいいのか、ちゃんと確かめておいてね。 |
眼は光を感知する器官ですから、内部は透き通っていて、瞳孔から眼球の奥のほうを覗くことができます。これを利用して、眼底のようすを観察するのが眼底検査です。 精密眼底検査とは、眼底をより詳しく観察するために、散瞳〈さんどう〉薬という瞳孔を拡げる目薬をさしてから行う検査です。散瞳後は眼の中に入る光が多くなるので、薬が効いている数時間は、まぶしさが続きます。精密眼底検査を受ける日に、車を運転しての通院は控えましょう。 なお、成人病検診など、ポラロイド写真撮影による眼底検査では通常、散瞳せずに検査します。
網膜の血管の異常を正確に把握するため、造影剤を静脈注射した後、眼底写真を撮影する検査です。網膜の虚血〈きょけつ〉部分の位置や血管の弱さなどが明確になり、治療法の決定に役立ちます。 ※3 網膜循環改善薬 糖尿病網膜症が起きる最初の原因は、高血糖による血流障害で、網膜の細胞に酸素や栄養が行き渡らなくなることです。なんらかの手段で血流を改善すれば、網膜症の進行をくい止めることができると考えられますので、血管を拡げる作用のある網膜循環改善薬(カリジノゲナーゼ)などが用いられます。
網膜の虚血部分へレーザー光を照射し、熱で凝固してしまう手術です。これにより虚血部分の酸素の必要量が減り、そこに新生血管が伸びてくるのを事前に防ぐことができます。また、新生血管がある場合は、血管そのものを凝固することもあります。この手術は、受ける時期が早いほど効果が高く、早期で 80パーセント、時期が遅いと 50〜60パーセントの有効率です。 1回の手術で数十から数百箇所凝固し、必要があれば何回かに分けて、千箇所以上凝固します。1個の凝固は直径 0.2〜0.5ミリの円形のスポットで、ちょうどカメラのフラッシュをたくような状況です。比較的短時間で終わり、それほど痛みもなく、外来(日帰り)で受けられる手術です。
中には網膜細胞を凝固したことが、視力の低下などの影響を及ぼすこともありますが、失明という最悪の事態の予防を目的に、今日では積極的に行われています。また、将来硝子体手術が必要になった際には、光凝固をしてあるか否かが手術の成功率に影響してきます。
硝子体手術は、硝子体出血や網膜剥離により低下した視力を、少しでも回復させるためや、視力にとって一番大切な黄斑を守る予防的な意味でも行われます。 硝子体は網膜の前にあって、眼球の大部分を占めるゼリー状の組織です。手術では、硝子体内の出血している部分や増殖膜を切除・吸引し、人工の眼内灌流〈かんりゅう〉液に置換して、内部を透明にします。そのほかに、出血部分を電気で凝固する、網膜裂孔〈れっこう〉の周りを光凝固で固定する、網膜剥離を復位させる、などを行います。これらは眼球内に、照明用の光ファイバーや硝子体吸引器具などを差し込んだうえで、手術用の顕微鏡を覗きながら行う、とても細かい作業です。 手術を受ける患者さんが一番知りたいことは、どの程度視力が回復するかということでしょう。例えば白内障の手術なら、濁った水晶体を眼内レンズに入れ替えることで、99パーセント満足のいく結果が得られます。しかし、硝子体手術は眼球内のさまざまな組織を修復する複雑な手術で、すべてが成功しても視力はそれほど回復せずに、患者さんにとっては満足を得られない結果になることもあります。手術前の硝子体や網膜の状態によって大きな差がありますが、手術が成功しても 0.1以下の視力で、なんとか自分のことが一人でできる程度にとどまるケースもあります。 視力の回復のためにはやはり、なるべく早い段階で手術を受けることが大切です。幸いにも手術用具の進歩によって、近年では手術の成功率も上がり、積極的に硝子体手術が行われるようになってきました。 ※6 超音波検査 硝子体出血が起きていると、眼底検査をしても眼底まで見通せないため、網膜剥離の有無などを確認できません。そんなときは超音波検査を行います。 |