| ![]() | |||||||||
| 特集:ぶどう膜炎 |
|
| も く じ |
|---|
![]() ぶどう膜に起こる炎症がぶどう膜炎。原因はいろいろあって、まだよくわかってないことも多いみたい。 ぶどう膜炎になると、視力はどうなるのかな? 果物のぶどうとなにか関係あるのかな?? |
●ぶどう膜は眼球を包む、血管が豊富な組織
ぶどう膜とは、脈絡膜〈みゃくらくまく〉と毛様体〈もうようたい〉、虹彩〈こうさい〉の三つをまとめて呼ぶ総称です。これらは眼球全体を包み込むよう広がっています。なにかしらの原因でこれらの組織に炎症が起こることを「ぶどう膜炎」といいます。まずは、ぶどう膜とぶどう膜炎の特徴についてお話しします。
眼以外の症状を伴うことが多い
ぶどう膜の特徴の第一は、眼球のほかの部分に比べて血管が多いということです。このことは、ぶどう膜炎の特徴にも関係してきます。つまり、炎症の原因がぶどう膜そのものにある場合だけでなく、血液の流れと関係して全身のほかの臓器に起こった炎症に伴って、ぶどう膜炎が起こるということです。
そもそも「炎症」とは、細菌の侵入などに対応してそれを排除し組織を修復するための反応のことで、血液中の白血球などの働きが深く関係しています。ですから、血管が多いぶどう膜は、非常に炎症が起こりやすい場所なのです。
炎症が眼球内に及びやすく視力に影響
もう一つの特徴は、ぶどう膜は網膜〈もうまく〉とほぼ全面で接しているので、そこに炎症が起こると網膜に影響を与えやすいということです。網膜は、瞳孔〈どうこう〉から入った光を感知する、カメラのフィルムに該当する組織ですから、その感度が悪くなると、視力が低下して、ときには失明に至ることがあります。
●炎症が起こる原因、ぶとう膜炎の種類
病気の原因はわからないことが多い
ぶどう膜炎の原因の約半数はベーチェット病、サルコイドーシス、原田病の三大ぶどう膜炎が占めています。これらは難病ではありますが、さまざまな検査から診断がつけば治療方針を立てることができます。
三大ぶどう膜炎のほかにも、膠原〈こうげん〉病、関節炎、腸疾患、皮膚疾患、脳神経疾患、耳鼻科疾患、糖尿病、あるいは血液疾患や悪性腫瘍などがぶどう膜炎の原因になっていることもあります。また、房水〈ぼうすい〉※1や硝子体〈しょうしたい〉※3液を検査して、初めてウイルスや細菌、その他の病原体の感染が原因であることがわかる場合もあります。いろんな点から調べてみても、どうしても原因がわからない場合も2〜3割あります。
些細なことでも医師に伝えてください
このように、ぶどう膜炎の診断はとても難しいので、どんな些細なことでもお話ししてください。たとえば飼っている動物の種類、生肉を食べる習慣があるか、どんな外国に行ったことがあるか、などの情報が診断に結びつくこともあります。
●ぶどう膜炎の症状と経過
ぶどう膜炎では、炎症の部位や程度、合併症によって、以下のような眼の症状が現れます。片ほうの眼だけに発病する場合と、もう一方の眼にも症状が現れる場合があります。
視力の低下 炎症によって集まった細胞や血液成分が硝子体〈しょうしたい〉※3に広がると、眼球内部が濁り、霧がかかったように見えたり、まぶしかったりして、視力が低下します。また、炎症が網膜に及んだり網膜剥離が起こった場合や、続いて起こる白内障や緑内障によっても視力が低下します。
飛蚊〈ひぶん〉症 炎症で生じた眼球内の濁りや浮遊物によって、目の前にゴミのようなものが見えます。これは一度出てしまうと、なかなか消えません。
充血 虹彩や毛様体の炎症が強いときは、強膜〈きょうまく〉や結膜〈けつまく〉(白目)が充血します。
鈍痛 炎症が起こると鈍い痛みを感じることがあります。また、続いて起こる眼圧異常で違和感が出ることもあります。
※3 硝子体:眼球内部の大部分を占めているゼリー状の組織で、眼球のかたちを内側から支えるとともに、眼球内部を無色透明に保つ役割をもっています。 
![]() |
| ベーチェット病の口内炎 |
![]() |
| サルコイドーシスによる虹彩の肉芽腫 |
![]() |
| 原田病による皮膚の白斑。 頭髪も白くなっています。 |
ぶどう膜炎のいくつかは完治が難しく、いかに視機能の低下を防ぐかに治療の主目的がおかれています。適切に治療していても、失明が避けられないこともあります。ですから病状をきちんと把握し、必要であれば将来の生活設計を考えてみることも大切です。一例をあげれば、音声ワープロや点字などは、視力がまったくなくなってから習い始めるより、少し見える時期に始めたほうが、ずっと容易に覚えられます。![]() 果物みたいなユニークな名前から想像していたのと違って、ずいぶん大変な病気なのね。 でも大丈夫。きっとみんな元気いっぱい生きていけるはず。きっと。ネ! |